当社フライウィールでは、自分たちで考えて話し合い、決めて行動していくことを推奨しています。現在採用強化中のエンジニアチームですが、拡大するチームの今後を見据えると、改めて活動の指針や考え方を揃えることの重要さがテーマとなりました。
そこで、エンジニアチームのリーダー層が話し合って「FLYWHEEL Engineering Philosophy(フライウィール エンジニアリング フィロソフィー)」を改めて見直し、将来にわたってエンジニアの礎になるように言語化を行いました。本記事では、このPhilosophyが何を意味するのか、そしてなぜそれが作成されたのかをご紹介します。
FLYWHEEL Engineering Philosophyとは?
FLYWHEEL Engineering Philosophyとは、私たちの開発組織が「持続的に社会へインパクトを与えていくための一つの指針」です。これは、単に技術的な側面だけでなく、チームとしてどのように働くか、メンバー間や組織との間で発生する課題にどう向き合うかといった、広範な行動規範を示しています。
私たちのミッションである「データを人々のエネルギーに」を実現するため、エンジニア一人ひとりが日々の業務を通じて、より大きなインパクトのある仕事を成し遂げ、経験を積み、成長していくことを目指しています。
Philosophyが生まれた背景
フライウィールの開発組織が社会に持続的にインパクトを与え続けるためには、組織の成長や拡大とともに、現在や将来のチーム メンバーが迷ったときに何を行動原理として尊重するべきなのか、わかりやすくすることが必要です。もちろんメンターやマネージャーとのコミュニケーションの中で伝えられていくものではありますが、業務時間のなかでの接点は限られます。そこで、リーダー層の中で改めて考えを言語化し整理することで、「今の我々は何が大切だと考えているか」ということをPhilosophyとしてまとめることにしました。

7 つの行動指針
FLYWHEEL Engineering Philosophyは、以下の 7 つの行動指針から構成されています。これらの指針は、エンジニアが日々の業務で迷ったときの判断基準となり、より良いソフトウェア開発とチーム運営を促進します。
1.仕組みを捉え、深く理解し、学び続ける
私たちは、日々の業務を通じて常に新しい知見を得る姿勢を大切にし、単なる手順や操作ではなく、技術や仕組みの背後にある構造や関係性を理解することを重視します。表面的な理解でとどまらず、システム全体の中でどのように機能しているのかを把握し、自分の言葉で説明できるレベルの理解を目指します。こうした深い理解と継続的な学習が、柔軟な応用力と持続可能な技術力につながると信じています。
2.本質的な課題を解く
私たちは、表層的な課題を解くことよりも本質的な課題を解くことを重視します。目の前で起きている課題や直接要求されたことに場当たり的に対応するのではなく、なぜそのような課題や要求が発生するに至ったのかを特定して、より効果の出る対応を実施していくことを目指します。時間や技術的な制約により本質的な課題を解くことが困難な場合は、本来解くべき本質的な課題を把握し、制約が取り払われた際により良い形に移行できるようにしていきます。
3.他人を尊重する
私たちは、日々の業務で多くの人と関わる中で、常に相手の立場を思いやったコミュニケーションと行動を心がけます。フライウィールでは、プロジェクトをチームで推進していきます。チームにはエンジニアだけでなく、他部署のメンバー、さらにはパートナー企業の皆様も含まれます。チーム メンバーはそれぞれ異なる知識、経験、そして立場を持っています。だからこそ、最高のチーム パフォーマンスを発揮するためには、常に相手を思いやる気持ちが不可欠です。「どうすれば最高の形にできるか?」「どうすればチーム メンバーが心地よくスムーズに働けるか?」──この問いを常に考え、行動していきます。
4.持続可能なソフトウェア開発を意識する
私たちは、作成するソフトウェアが想定する稼働期間を考慮に入れ、その期間を達成できるかを常に意識します。特定の人に知識が属人化しないように知識共有を行ったり、機能を変更できるか、緊急時にデプロイできるかなどを考慮し、テストやリリースプロセスの整備も重視します。
5.コストを意識する
私たちは、CPU、メモリ、時間といった限られたリソースの中で最大限の価値を生み出すため、常に効率的な設計と実装を追求していきます。これにより、インフラ費用や運用コストの最適化を図り、システムの動作時に発生するコストを抑え、その分の費用をお客様に還元していきます。
「制約は発明の母」という言葉があるように、リソースの制約を意識することで、私たちはより創造的で効率的な開発が可能になります。リソース効率の良いソフトウェア開発は、単に費用を抑えるだけでなく、開発チームの腕の見せ所でもあります。私たちはチーム全体で知恵と工夫を凝らし、価値の高いソフトウェアを開発していきます。
6.将来にわたって情報を残す
私たちは、現在だけでなく未来のチーム メンバーや組織全体のために、必要な情報を明確かつ具体的に記録し、アクセス可能な状態に保つことを心がけます。技術的な決定、設計の背景、議論の経緯、教訓などを文書化し共有することで、知識の断絶を防ぎ、効率的な開発と改善を促進します。これは、属人化を避け、組織全体の学習能力を高める上で不可欠だと考えます。
7.全体視点で最適化を追求する
私たちは、個々の担当領域や目先のタスクにとどまらず、組織全体、お客様、資源、そしてソフトウェアの将来までを見据えて、より効果的な方法を自律的に模索します。自分の実装やドキュメントが他チームや他案件、そして将来の開発に及ぼす影響を常に意識し、他の人や将来の負荷を減らす工夫や共通化の余地がないかを常に問い、そして必要に応じて改善案を提案したり標準化を推進します。得られた知見を全社で還元し、開発効率や品質を高め、組織全体で持続可能かつスケーラブルな価値提供を実現します。
まとめ
FLYWHEEL Engineering Philosophyは、私たちエンジニアが日々の開発において、お客様へ最高の価値を届け、社会に貢献し続けるための重要な道標です。しかし、この哲学は単なるルールブックではありません。
私たちが本当に大切にしているのは、このPhilosophyを自ら考え、話し合い、生み出し、未来へ継承していくための組織文化です。7 つの指針は、そうした日々の営みの中から自然と生まれ、変化し、磨かれていくものだと考えています。
組織が成長し、課題に直面するたびに、メンバー全員がこの指針に立ち返り、どうすればより良いチームとして成長できるかを深く考え、議論する。そうすることで、Philosophyは形骸化することなく、常に生きた指針として私たちを支え続けます。この自律的な姿勢こそが、フライウィールがサステナブルな開発組織であり続けるための原動力なのです。
そして、それぞれのエンジニアがこれらの 7 つの指針をどのように捉え、日々の業務に活かしているのか。これから連載記事で公開していく予定です。彼らの生の声を通じて、フライウィールのエンジニア文化のリアルをぜひ感じてください。
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Author:土田 圭介 Director of Engineering
米MicrosoftでWindows開発、その後自社ベンチャーの立ち上げ、映像通信やAI開発のベンチャーを経て 2023 年 4 月より株式会社フライウィールに参画。エンジニアリング部門全体を統括している。
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