「単に作って終わり」ではない。長期運用を見据え、 技術的合理性を探究し続けるフライフィールのものづくり - Director of Engineering 土田 圭介

「フライウィールの開発組織は、非常にエンジニアリング・スピリッツが強い。そんな組織が急拡大するに当たって、我々は自ら『かゆい』部分を探して前に転がっていける人材を求めています」。そう話すのは、ビッグテックでの開発経験やスタートアップの立ち上げ、支援を経て、2023年4月に入社した、Director of Engineeringの土田圭介です。ビッグテック出身者や優秀なエンジニアが多いからこその開発組織の特徴や、目指す組織の姿、カルチャーについて、土田に話を聞きました。

 

フライウィールの「人材力の高さ」が入社の決め手に

—入社までの経緯

私のキャリアのスタートは、Microsoftでした。1995年にソフトエンジニアとして入社。15年弱の在籍期間のうち、前半はアメリカ本社でWindowsのコア部分の開発、後半は日本に帰国し、戦略的なBizDevの立ち上げに参画しました。エリアのパートナー獲得、知的財産のクロスライセンス交渉、家電・半導体・メディア業界に対するIPの提供、Microsoftのエコシステムを構築する業務に携わっていました。

2009年にMicrosoftを退社してからは、自身でWebサービスの会社を立ち上げたり、アメリカ東海岸のベンチャーを手伝ったりした後、シリコンバレーにあるVoice AIの開発会社を経て、2023年4月からフライウィールに入社しました。

—入社の決め手

日本のベンチャーが立ち上がり、成長するシーンに立ち会いたい気持ちが強かったんです。それまで海外のベンチャーの立ち上げやIPOのために尽力するケースを経験してきて、次は日本の会社を支援したいと思っていました。

中でもフライウィールに惹かれた理由は、人材力の高さです。選考期間中に、何度も社内の人間と話をする機会をもらって感じたことです。

エンジニアが優秀であることはもちろんですが、それ以外のバックオフィスの人材も飛び抜けて優秀でした。一般的に会社が小規模な時期は、経理や人事、法務が手薄になることが多いのですが、フライウィールは全員が攻めの姿勢を持っていました。中核となるエンジニアの技術力の高さに加えて強力なバックアップ体制があるこの会社ならうまく立ち上がるだろうと判断しました。

データから見つかる金脈に興味があったことも、決め手の1つになりました。世の中にあふれるいろんなデータを使って、もっとできることがあるはずだと。

フライウィールの人材力の高さとデータ活用という2つのかけ算に加えて、ご縁も大きく影響しました。私がMicrosoftで立ち上げた部署で採用したメンバーや、当時の上司筋がフライウィールのCTOとゆかりのある人たちだったんです。

皆で育つ「筋肉質」な開発組織を作り、データを価値化することにフルスタックで臨みたい

—現在の業務内容について

現在の私の肩書きは、Director of Engineering。いわゆる、開発マネージャーの立場です。フライウィールの開発組織は大きく2つに分かれていて、1つはフライウィールのプロダクトを開発するチーム。もう1つが、フライウィールの技術力を活かし、お客様にデリバリーをおこなって対価をいただくチーム。私は後者のチームを統括しています。

—開発組織の顧客への価値提供における信念

フライウィールは非常にエンジニアリング・スピリッツの強い会社です。「単に作って終わり」ではなく、技術的合理性があるか否かに関して常に疑問を抱きながら、一番良い方法は何か作りながら考え、探求するような組織です。当社ではビッグテックでの開発経験を持つメンバーが多いため、大きなシステムを設計する際には長期的な視点を持って、最も合理的な選択が何かを考慮し、技術的な意思決定を行うよう意識しています。

例えば、業務面でいうと、単にお客様の要求に応じて仕様を実装するのではなく、「お客様の大元の課題は何か」をきちんと咀嚼する。技術的に高度な課題がある場合は、そもそもお客様自身も何がしたいのかよくわからないケースがあるんです。そういう状況を相互に認識した上でまずは作ってみてまたその次のステップを考えていく、というアジャイルの考え方を上手に使いながら、お客様自身でも紐解けない課題を一緒に解決していきます。

 技術的な観点に目を向けると、私が統括するチームは二十数名なんですが、そのうち片手で足りるほどの人数で大規模なシステムを運営しています。それは、設計の段階でどうすれば少人数で運用・保守できるかを考え抜いているからできることです。その場しのぎの解決を目指すのではなく、問題を継続的に解決するために必要な柔軟性をどこまで持たせるかを考えていますね一方で、柔軟性だけを追求しても結論が出ないため、そのバランスをどう取るかが重要です。当社のエンジニアは、このような視点や意思決定に長けている人が多いと思います。こうした長期の運用性を考えたうえでの技術的な意思決定とオペレーション設計がある点は、フライウィールならではの性質と言えるでしょう。

—特徴ある開発組織におけるカルチャー面や、思い描いているあるべき姿等今後の展望について

エンジニアは同じエンジニア同士で話をしていると、会話の中でお互いの品定めをするという不思議なプロトコルがあるんです。フライウィールのエンジニアは、面接に来た人に対して、「この人たちと仕事をすると、自分自身の実力を上げられそうだ」という印象を与えるようですね。その、「フライウィールの中にいるからこそ技術力が磨かれていく」という側面を強化していきたいと思っています。

そのためには、当社に根づいているフィードバック文化をより徹底すること。ジュニアの状態から抜け出せない方をみんなでサポートして、組織として積極的に皆で育つ組織を作っていきたいと考えています。筋肉質な組織を目指したいですね。

 もう1つ、あるべき組織の姿として、データを何らかの形で価値に変えるという部分に関してフルスタック化していきたい想いがあります。

 データエンジニアリングとデータサイエンスは密接に関わっている技術ですが、データエンジニアはデータベースの設計までをして、その先のデータサイエンスの話はデータサイエンティストに任せてしまいがちです。しかし実際には、データサイエンティストがデータをどう活用するかをデータエンジニアが踏まえたうえでデータベースの設計をしなければ、全体最適は難しい。フライウィールは、そのどちらにも長けた人材がそろっている点で、他社と差別化できています。

今後も技術領域に関しては、あらゆるエリアに関して学習機会を積極的に設けていきます。それによって、全員がいろんなエリアに対して目端が利く状態にしたいと思っています。例えば、バックエンドエンジニアを志向している人も、フロントエンドエンジニアとコミュニケーションするためにはフロントエンドに関する知識も必要です。バックエンド、フロントエンド、どちらもをリードできるスキルを育てていきたいと考えていますので、学習意欲があって、エンジニアリングキャリアを向上させたいと考えている方にとっては魅力的な環境だと思いますね。 

 

フィードバック文化とドキュメント文化で生産性や品質の担保に努める

—開発の生産性を高め、組織をよくするための工夫

生産性を高めるということは課題解決だと思っています。この課題に向き合う際に、ボタンの掛け違いが起きないように、そもそも何が課題であるのかをきちんと理解することが重要です。問題をきちんと認識できていて、かつそれを解決するスキルがあれば、課題解決は可能です。また、解決した課題を振り返り、次回どう改善すればよりよくなるかを周りがフィードバックすることで、その人の成長につながり、全体の底上げにもつながります。したがって組織としては課題解決可能なスキルを持っているかのアセスメント、問題をどう捉えているかを相互に確認するという2点が重要だと考えています。

—メンバーが課題をきちんと認識しているか、そして、課題解決できるだけのスキルがあるかを確認する術

当社は1on1を推奨しているので、主にその中で確認しています。それ以外にも、実際のプロジェクトにおいてメンバーが課題をどこまで認識しているか、リードに相当するメンバーが確認しています。

そもそもエンジニアは面倒くさがりで、生産性を高めたがる側面があると思っています。生産性が低い状況を目の当たりにして、つい「かゆく」感じる方、つまり、目の前の問題が解決されないことにむずむずするような方がフライウィールでは活躍できると思っています。

—高い品質を保つための仕組みや取り組み

品質担保の第一歩目は、ドキュメント化することだと考えています。フライウィールではドキュメント文化が推奨されています。ドキュメントを書くことは課題の理解や意図を明確化し他人に伝えることの助けになるんですが、ややもすると「面倒くさいもの」と思われがちです。特に新卒入社など社会人経験の少ない方など、ドキュメントを書くことに慣れていない人には、その重要性をよく理解しているメンバーがきちんと指導することでドキュメント文化を浸透させています。

もう1つがレビューです。長期的なシステムデザインを踏まえた上のレビューをシニアエンジニアが率先して受け持ってくれており、全体的なクオリティを保つ上での最後の「防衛線」として機能しています。

—組織拡大に伴うレビュー件数増加への対応

確かに最近は、レビューの件数が増えてきています。今後も設計など重要ポイントのレビューに関しては引き続きシニアエンジニアが務めますが、日々の小さなプルリクエストに関しては、シニア以外のエンジニアにも積極的に関与していってもらおうと思っています。もちろん漏れが出るケースもあるでしょうが、経験や数をこなすことも重要なんですよね。

急拡大する組織においてスキルのサイロ化を避け、全体を俯瞰する視点を養う

—今、開発組織として抱えている課題

現在、組織が急激に拡大している状況です。手掛けるプロジェクトが増え、人手が足りなくなるなかで、まずはお客様にしっかりとデリバリーをすること。同時に、品質の担保も必要です。かつ、リソースの逼迫と闘いながらメンバー皆が成長していかなければなりません。

そうした意味で、今年1年は運動部の合宿のように難局を皆で乗り切ることになるでしょう。ただ、精神論だけでこの局面を乗り越えるのは難しい。ここで必要になるのはコミュニケーションです。

 当社には1on1の他に、チームでランチをする機会を設けています。開発チーム内でもそうですし、場合によっては部署をまたいでお互いのことを知りましょうと。そうした形でコミュニケーションを手厚くすることで、人間関係もより深くなり、組織力が強くなっていくと思うんですよね。

もう1つ、フライウィールは全社的にお互いをリスペクトし、オープンコミュニケーションを推奨する文化があります。そうした土台の上で成長しながら、皆で楽しくチャレンジに臨めるのではないかと思います。

私は組織の拡大期は、チャレンジでもあると思っています。急拡大する組織はリスクもはらんでいますが、フライウィールには非常に勉強熱心で優秀なメンバーがそろっています。だからこそ、私はこれを好機と捉えて、思い切り成長しようと思っています。

—急拡大する組織の中で、これから入社される方に期待すること

理想を言えば、単独で課題解決できる「問題解決スペシャリスト」になっていただけたらと思います。

 ただ、こちらから「こうなってください」とお願いするよりは、ある場所に置かれたら、自分の転がりたい方向に自ら転がってくれるのが一番いいと思っているんですよ。本人が何にむずむずするのか。問題が解決されないことで「かゆい」と感じる部分はそれぞれ違うと思うので、本人が転がりたい方向に転がって、それがうまくいくことで皆ハッピーになるのが一番いいと考えています。私としても、個々のそうした部分を支援したいですね。

—フライウィールで描けるエンジニアとしてのキャリアパス

新卒入社の方はまず、社会人としてのエンジニアリングキャリアを3年積むことが重要だと思っています。

単にプログラムを書けるだけでなく、正しいソフトウェアを書くこと。そのために、長期間クオリティを保つにはどんな技術的意思決定が必要か、シニアエンジニアのレビューをもとにどんなポイントに気をつけて開発しなければいけないか、書いたソフトウェアが何を意図するものか伝えるためにどうドキュメントを書けばいいか。質のいい環境の中で2〜3年、それらをトータルで経験することはプラスになるでしょう。

そのうえで、さらに技術者として自身を高めたいのか、技術を踏まえたうえで次のステップに進むのか、1on1などで定期的にヒアリングをしてエンジニアとしてのキャリアを支援します。

 中途入社の方は、今後どういうポジションを得ていきたいか、過去の経験をより強く活かすためにはどのカードを選ぶのか、本人の考えをできるだけ尊重したいと思います。また、1on1で、例えばどういうものを作りたいか、どれくらい昇給したいかといった何らかのゴールを設定し、そのために何をしていくべきか思考実験を促していきます。

 当社には、開発エンジニアの経験がなく入社する方もいます。そうした方にはまず開発経験を積んでいただいて、その上でエンジニアとして進んでいくか、それとも別の道を歩むのか、本人の希望に応じて次のステップを選んでいただきます。

 私の部署は全員が開発エンジニアなのですが、その中でもプリセールスや、デリバーした後のカスタマーサクセスなど、お客様との接点を広く取る職種に触れることも可能です。ビジネス側やマーケティングなどに携わることも可能なので、ビジネス的な側面を含めて技術的に意思決定する上で必要な知識も身につけられる環境です。

—メンバーを育成するうえで大切にしていること

個々人がどこに転がりたいか。どこに「かゆみ」を感じるか。要は、放っておいても行きたがる方向を見極めることが大事だと思ってます。自分の転がりたい方向は、自分自身にも気付けないことがあります。

 自分はエンジニアとして歩みたいと思っていた人が、コンサル的な役割で新規事業の実現可能性の検証を主導してみたところ、「これはおもしろいかもしれない」と気付くことがあったり。なので、「これだ」というものがまだ見つかっていない方に関しては、振れ幅を広めに取って話を聞き、できるだけサイロ化しないように見極めをおこなっています。

エンジニアの魅力は、1人でかなり広い範囲までカバーできる点。語弊を恐れずに言えば、全能感です。一通り全体を俯瞰したうえで、何が最適か判断できる。今後エンジニアとして先を行くにしても、マネジメントやコンサルタント、PMを目指すにしても、全体をある程度俯瞰して見られる「眼」があるのは重要なポイントになってくるでしょう。そういう意味でのスキルアップを目指せるようにしたいですね。

自ら「かゆい」部分を探し、前に転がっていける人材を求む

—メンバー育成における、制度、フォロー体制等成長に資するもの

1つはメンター制度ですね。新入社員には必ずメンターがつきます。また、勉強会も積極的におこなっています。例えば、ドキュメントの書き方やデザインパターンを勉強したり、エンジニアリングランチトークといって、当番でテーマを持ち寄って技術的な内容を話し合ったり。

また、ビルド環境に関してよりディープな知識を得たければ、そこを担当しているシニアエンジニアを部署をまたいで議論ができる取り組みもしています。エンジニアの「こんなことがしてみたい」という技術的興味は常に推奨されており、自発的に学びの機会を設けることができます。

—こんな価値観を持った方と働きたい

まず、「技術を使ってデータから価値を生み出す」という考え方を持った方が大前提です。そして、問題解決に向かって自然と「かゆがる」ことができる方は、フライウィールでのお仕事が合っていると思います。

 —求める経験やスキルについて

基本となるコンピュータサイエンスについては技術面接で確認してはいますが、「この言語を知らなければだめ」ではなく、「この言語を学ばなければならない」となったら学べる、必要に応じての瞬発力やキャッチアップ力のほうを重視しています。

 特定のスキルや経験よりも、コンピュータ技術への好奇心や、問題解決に対する「むずむず感」が一番大切だと思っていますので、その部分でピンとくる方がいれば、過去の経歴にこだわらずぜひ一度お話してみたいですね。 


※所属・業務内容は取材時点のものです。