人事キャリアの始まりと「飽きない仕事」としての魅力
新卒で通信会社に入社し、私の人事キャリアは始まりました。その後、会社が買収されたのを機にベンチャー企業に転職。300人規模の会社で人事全般を経験しました。その後、そのベンチャー企業も大手に買収されて改めて転職。最初の2回の転職はM&Aがきっかけでした。
正直、当初から「人事になりたい」という明確な目標があったわけではありません。最初の会社で事業部門にいた時、先輩から「新卒採用担当やってみない?」と声をかけられたのが、人事としてのキャリアのはじまりです。
実際に人事業務に携わってみると、採用であればマーケティングや営業の世界だし、労務であれば法務のような役割もある。好奇心旺盛な方だと思っていますが、ある意味「飽きない仕事だな」と感じ、それが人事として続けてきた大きな理由かもしれません。
人事コンサルの経験で学んだプロフェッショナルの本質
ベンチャー会社での経験を通じて企業経営における人事の重要性を実感し、より専門性を深めたいと考え人事コンサルタントになりました。コンサルティングファームで約4年間、様々な企業の人事課題解決に取り組みました。
最も印象的だったのは、入社早々に担当したナショナルブランドのグローバルM&Aプロジェクトです。人事デューディリジェンスを支援する役割でしたが、M&Aの知見もグローバルプロジェクトの経験も十分ではない状況からのスタートでした。
4か国にまたがる複雑なプロジェクトで、連日深夜まで続く激務でしたが、海外のプロジェクトメンバーと協力しながら着実に成果を積み重ねました。プロジェクトマネジャーからは常に高いレベルを求められ、クライアントへの報告では大部分で満足いただけたものの、1つの質問に対して「確認します」と答えた際に指摘を受けました。この経験から、プロフェッショナルとしては、事前の準備と深い理解が不可欠なことを学びました。
その後、多様な業界のプロジェクトを経験する中で、再び事業会社で組織に直接的に携わりたいと考えるようになりました。外資系医療機器メーカーでグローバル人事を、ITベンチャーで役割を広げて管理部門長を経験し、現在に至ります。
マネジメントにおけるデータ活用の重要性
前職のベンチャー企業では、管理部門長として人事よりも幅広い領域に携わっていました。その中で、マネジメントにおけるデータの重要性を痛感する出来事が何度かありました。
特に印象深いのは、業績不振の地方テーマパークへの出資プロジェクトです。ITベンチャーの手法で成長軌道に乗せる計画でしたが、そのテーマパークには顧客データが皆無で、手書きアンケートのみという状況でした。デジタル化のためのインフラも資金も不足しており、すべてが仮説ベースで進まざるを得ませんでした。
データを効率的に集める方法がなかったので、私自身が出口に立ってお客様にインタビューを行ったこともありました。直接顧客の声を聞くと様々な発見があり、顧客満足度向上やサービス改善の具体的なヒントが得られました。顧客の声とデータに基づいて判断することで、社内調整もスムーズに進むようになりました。
ただし、手作業での限られたデータでは全体像の把握や施策効果の定量検証には限界があり、事業全体を大きく動かすインパクトには至りませんでした。最終的にプロジェクトは継続できず、悔しい結果となりました。
この経験を機に、顧客の声の価値とともに、「いかに効率的にデータを収集・分析し、事業全体の成長につなげるか」というデータ活用の重要性を学び、より体系的なデータの活用に興味を持つようになりました。
フライウィールとの出会い、そして「日本の未来を良くすること」への共感
フライウィールとの出会いは、出資しているベンチャーキャピタルからの紹介でした。当時は転職を積極的に考えていませんでしたが、私の出身である通信業界のKDDIも出資しているという話に興味を持ち、話を聞いてみることにしました。
CEOの横山との面談で、企業内で活用しきれていないデータを価値に変えるビジネスや、KDDIとの資本業務提携を通じたSwing by IPOへの挑戦について聞き、大きな可能性を感じました。前職はとてもよい環境でしたが、中長期的な自分のキャリアについて深く考えるきっかけとなりました。
入社を決めた大きな理由は、抱いていたデータ活用についての課題感と「30年後の日本の未来を良くしていきたい」というビジョンへの強い共感です。3人の子どもがいる私にとって、「子どもたちの世代に何を残したいか」が重要な判断基準になっていました。
日本企業は高品質で信頼できるサービスを提供する一方、グローバル競争では成長が停滞しています。データや技術の力で日本企業の潜在価値を引き出し、働く人が適正な対価を得られる社会を実現したい。経営陣の豊富な経験と会社の技術力を見て、フライウィールならこの目標を叶えられると確信し、挑戦を決意しました。
専門性と思いやりが融合する組織づくりと社会への貢献
フライウィールで私が目指すのは、一人ひとりが持つ強みや専門性を最大限に発揮できるチームです。エンジニアやプロジェクトマネジャーなど、それぞれの強みを活かしながら、無駄な作業に時間を奪われることなく、本当に価値のある仕事に集中できる環境を作りたいと思っています。
理想のチームメンバーは、高い専門性はありつつも、前向きで仲間に配慮できる人たちです。フライウィールに入って素晴らしいと感じるのは、私たちのバリューである「Engage with Respect」が深く浸透していて、思いやりのあるメンバーが本当にたくさんいることです。今後も、このような仲間をさらに増やしていきたいと願っています。様々なチャレンジがありますが、お互いの意見を尊重し合いながら、率直に議論できる関係性を築いていきたいですね。
このような組織づくりを通じて、多くの企業が持つ素晴らしい技術やサービスを、データ活用によってさらに価値あるものに変えていく。そうすることで、働く人たちがより充実感を持って仕事に取り組める社会を実現したい。これは私自身の子どもたちの世代にとっても、きっと意味のある取り組みになると信じています。このビジョンに共感いただける方は、ぜひ一緒に働きましょう!

※所属・業務内容は取材時点のものです。
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