導入事例:株式会社集英社(マンガMee)

株式会社集英社

ユーザー体験の向上と課金額の引き上げを実現させるAIレコメンド

  • Discovery

今までレコメンド対象でなかった
作品も
掘り起こしができる

株式会社集英社
マンガMee編集部
池田真理子 氏

導入のきっかけ

ユーザー体験や
トータル課金まで追う、
より高度なAIレコメンドに
チャレンジしたかった

マンガMeeは集英社少女・女性マンガグループが運営するマンガアプリです。2023年現在では1,300万DLを越え、幅広い年齢層の女性がユーザーとなります。「りぼん」や「マーガレット」などの雑誌媒体から生まれた「君に届け」「NANA」といった大ヒット作品から、最新作品まで掲載しています。また、マンガMeeでしか読めないオリジナル作品も掲載し、「サレタガワのブルー」などのメディア化された作品も誕生しています。

サービスのローンチから約2年が経過したころに、ユーザーの読書体験向上とそれに伴う売り上げの増加を目指すため、AI技術を使ったレコメンドエンジンの導入、強化をすることを検討開始しました。

作品ごとの読了後に表示される広告PRやPOPUP等へは自社開発したレコメンドエンジンを活用していました。自社オリジナルのレコメンドロジックを組み込んでおり、作品ごとの継続率に基づいたおススメ作品の訴求選定などを行っていました。しかし、当時は全ユーザーの半数に対してテスト的に自社レコメンド枠を適応するのみだったので、レコメンドエンジンを通じたユーザー体験の向上、それに伴う課金額の上昇までは正確に追えていませんでした。そんな中、AIでのレコメンドにも挑戦したく、また、より最適なアプローチを行うために、データ活用の専門家であるフライウィールに相談しました。

どんなことを実施したか?

マンガMeeのユーザー行動分析
に基づき
「読書セッション」に着目した
機械学習モデルを構築

本格的にフライウィールのレコメンドエンジンを導入する前に、テスト導入期間を設けることにしました。そうすることで、本格導入における想定費用対効果を予め把握することができ、不安を解消して安心して導入に踏み切ることができました。具体的には「作品数が約 400作品(検討当時の作品数)、アプリ利用ユーザー数におけるデータ量でもレコメンドによる成果がでるのか?」、「AI分析によってアプリの動作が重くならないか?」といった点です。

費用対効果の想定ができた後に、大きく二段階の改良を加え本格導入に臨みました。

一段階目として、テスト導入期間のデータを踏まえ、改良したレコメンドエンジンを導入しました。ただ、そのバージョンのリリース直後に、当初期待した程の成果とならない時期がありました。フライウィールは効果の改善に向け、これまでのパフォーマンスに関する分析を踏まえ、マンガMeeのユーザーのユーザー行動をより深く分析を実施しました。その結果、どのように一つの作品を読み進めていくかを表現する「読書セッション」が重要であると見込み、レコメンドエンジン内にある機械学習モデルにそのセッションに関わるユーザーデータを組み込みました。「読書セッション」とは、作品をみつけて読み始めてから有料課金セッションへ移行して読み続ける一連のユーザー行動です。

一般的に機械学習モデルはデータが蓄積されることでモデルの精度が向上していきますが、二段階目としてユーザー体験に基づいた「読書セッション」をモデルに取り入れた結果、パフォーマンスが一気に向上したのです。

成果改善に加えて、フライウィールから取り組みの現状と今後の展望、さらなる改善方針について、データ分析による詳細なレポートを共有してもらいました。レコメンド エンジンに対する技術的アプローチについて、社内での理解度と納得度が高まり、契約の継続・更新となりました。

導入後の効果

旧レコメンドエンジンと比べ、
継続的なアップリフトを実現

導入当初はなかなか数値が上がってこないなどの課題もありました。ただ、レコメンドエンジンの機械学習モデルの改良やチューニングを行い、それらのデータが蓄積されて学習が強化されてくることで、段階的に課金額のアップリフト率も向上することができました。

また、さらなる改善に向け、継続的にモデルの改良も実施しています。例えば、データ分析から長く読まれるセッションの収益性に傾向があることがわかり、それを踏まえたレコメンドエンジンの改善を実施しました。その結果、ある月におけるレコメンド経由の課金額が従来のレコメンドエンジンと比較して大幅に上回る状況になり、期待以上の効果が得られたと感じています。

現在も従来利用してきたレコメンドエンジン(以下、旧レコメンドエンジン)とフライウィールのレコメンドエンジンでABテストを実施することで、課金額がどの程度アップリフトしているかを算出しています。ABテストから、フライウィールのレコメンドエンジンが常にプラスの成果・実績を残していることが確認できています。

 目標値として、旧レコメンドエンジンと比較した際の課金額の上昇率5.0%以上を一つの目安としています。フライウィールがチューニングを継続して実施し続けているため、導入から数ヶ月後には上昇率 5.0%超を達成し、その翌月も更なるアップリフトも記録しています。中長期的には最大10%程度の上昇を期待しています。

お客様からのコメント

今までレコメンド対象でなかった
作品も掘り起こしができる

「Conata™️ Discovery Recommend」の導入後にマンガMeeアプリの読者様の反応で変わったことがありましたらお聞かせください
レコメンド経由でユーザーの継続率が増えたことと、また特にARPPU(相対的にARPU)への向上効果を感じています。今まで編集部内でレコメンド対象ではなかった作品が、フライフィールのレコメンドエンジンを通じてしっかり掘り起こしができている印象があります。読書セッションに基づくモデル構築によって、ユーザー体験向上やトータルでの課金アップリフトなど、より本質的な課題改善に繋がりました。

今までの成果に関して、そしてこれからの展望についてお聞かせください
まだレコメンド未適応の範囲があるので、順次増やしていき課金向上を目指したいです。

掲載日: 2023年 7月 10日

株式会社集英社 / マンガMee

マンガMeeは集英社少女・女性マンガグループが運営するマンガアプリです。2023年現在では1,300万DLを越え、幅広い年齢層の女性がユーザーとなります。「りぼん」や「マーガレット」などの雑誌媒体から生まれた「君に届け」「NANA」といった大ヒット作品から、最新作品まで掲載しています。また、マンガMeeでしか読めないオリジナル作品も掲載し、「サレタガワのブルー」などのメディア化された作品も誕生しています。

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株式会社集英社 マンガMee編集部


池田真理子 氏

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