ブログ

【実践ノウハウ公開】「ユーザーストーリー」が開発の迷いをなくす理由— 第 2 回 「FAF/アジャイル勉強会」レポート

こんにちは。Project Manager の谷口です。

フライウィールでは、独自のアジャイルフレームワーク「FAF(FLYWHEEL Agile Framework)」の浸透を目指し、連続勉強会を開催しています。

前回の第 1 回勉強会では、アジャイルの根幹となる『ユーザー価値の探求』をテーマに、ペルソナ策定やカスタマージャーニーマップを通じてステークホルダー間で揺るぎない『ゴール』を共有する重要性を学びました。

続く第 2 回のテーマは、「ユーザー価値を『カタチ』にする!ゴールに向けたユーザーストーリーの作り方」

「なぜその機能が必要なのか?」という本質を、どうやって具体的な開発タスク(バックログ)へ落とし込んでいくのか。現場ですぐに使える実践的なノウハウをレポートします。

振り返り:FAF/アジャイル勉強会とは

本勉強会は、社内におけるスクラムの実践能力を「実務で実行できるレベル」まで引き上げることを目的としています。

  ※「FAF」の定義や勉強会立ち上げの背景については、第 1 回のレポートをあわせてご覧ください。

第 2 回からは、座学で得た知識を実際のプロジェクトにどう適用するか、より「実践」に踏み込んだ内容になっています。

メインセッション:良い「ユーザーストーリー」が迷いを消す

バックログとWBSの違い:ハンバーガーで考える「価値の届け方」

アジャイル開発において、よく議論になるのが「バックログとWBS(Work Breakdown Structure)の違い」です 。これらは目的が根本的に異なりますが、ハンバーガーを作る工程に例えると、その違いがより明確になります。

1. WBSは「材料と工程の網羅」

バンズ、パティ、レタスといった材料の洗い出しから、肉を焼く、具を挟むといった全工程を構造化し、スコープを確定させる「設計図」です。

  • 材料(プロダクト軸): バンズ、パティ(牛肉・豚肉)、トマト、レタス、ソース、調味料など
  • プロセス(機能軸): 肉を計量してこねる、野菜を切る、鉄板を温めて焼く、具材を挟む、盛り付けるといった一連の作業
  • 隠れた必須要素: 手を洗う、洗剤を買う、包丁を研ぐといった、見落とされがちな準備作業まで含めて「網羅」することを目指します 

    2. バックログは「価値を届ける順序」

    「すべての材料が揃うまで提供を待つ」のではなく、「どの状態ならユーザーの空腹を満たせるか」という視点で並べたリストです。

    • MVP(最小限の製品): まずは「お腹を満たす」ための、バンズとパティだけのハンバーガーを最優先で提供。
    • Phase 2: 次に「味に変化が欲しい」というニーズに応え、チーズバーガーやトマト・ポテトを追加。
    • Phase 3: さらに満足度を高めるために、ダブルチーズバーガーやドリンクセット、キャッシュレス決済への対応などを進める。

    良いユーザーストーリーを生む「INVEST」原則

    フライウィールでは、単なる作業の羅列ではなく、裏にある「なぜやるのか」という意図を明確にして優先順位を付けやすくするため、「ユーザーストーリー」でバックログを記述することを推奨しています。

    価値を生むユーザーストーリーを作成するための指針となるのが、INVEST原則です。INVEST とは、良いユーザーストーリーが満たすべき 6 つの条件を示すフレームワークです。この原則に従うことで、チケットが適切なサイズに保たれ、見積もりが容易になります。

    例えば、「全てのUIを改善したい」という曖昧な要望は、範囲が広すぎて見積もりもテストもできません 。これを「片手で操作しやすいよう、ナビゲーションを下に固定したい」と具体化することで、初めて議論が可能な「ストーリー」になります。 

    全体像を見失わないための「ユーザーストーリーマッピング」

    ストーリーを細かく分割すると、今度は「プロダクトの全体像」が見えなくなることがあります 。これを回避するのが、ユーザーストーリーマッピングです。ユーザーの一日の流れに沿ってカードを並べ、細部のアイデアをその下に配置していくことで、どの機能が「MVP(最小限の製品)」として重要なのかを視覚化します 。 大切なのはカードそのものではなく、会話を通じて豊かな議論をすることにあります。

    FLYWHEEL 実践編:Jira ガイドラインの運用

    理論を現場で形にするため、フライウィールでは独自の Jira ガイドラインを運用しています。

    Jira 上でチケットを明確に区別し、B2B ビジネス特有の「管理者」「エンドユーザー」「プロジェクトエンジニア」といった多角的な視点からストーリーを記述することで、開発の優先順位を明確にしています。

    当日の様子

    最後に

    第 2 回勉強会を通じて再確認したのは、「ユーザーストーリーは仕様書ではなく、議論のきっかけである」というマインドセットです。曖昧さを無理に抑え込むのではなく、あえて表に出し対話を増やすことこそが、真のユーザー価値につながります。

    次回、第 3 回は「プロジェクト成功のためのプランニングとスクラムイベントの実行」をテーマに開催予定です。引き続き、現場に即したレポートをお届けします!

    フライウィールでは、共にアジャイルな組織を創る仲間を募集中です!

    少しでも興味をお持ちいただけましたら、ぜひカジュアルにお話ししましょう。

    ◼︎エンジニア職種の募集ポジション一覧はこちら
    ◼︎ビジネス職種の募集ポジション一覧はこちら

    ▶︎採用情報トップページ