はじめに

エンジニアのハヤサカです。

最近大変なことに気づきました。弊社の社名である「フライウィール (FLYWHEEL)」、この言葉の意味を、入社してもうしばらく経っているにも関わらずちゃんと判っていないのではないかということに!

これは宜しくない、ということで調べてみます。FLYWHEEL って、なに?

 

定義

まずは辞書的な定義から確認していきましょう。Flywheel は「フライウィール」、あるいは「フライホイール」と読みます。日本語では「弾み車(はずみぐるま)」あるは「勢車(せいしゃ)」と呼ばれるようです。

英語版 Wikipedia を参照しますと、以下のように紹介されています。

“A flywheel is a mechanical device specifically designed to efficiently store rotational energy.”

軽く訳せば、「フライウィールとは、回転エネルギーを効率的に蓄えるように設計された機械装置である」といったところでしょうか。

例えば以下のような機械があるとしましょう。

Fig 1. ハンドルで金属板を回す機械、のイラスト。良い画像が見つからなかったので、すべて手書きにてお送りしておりますことをご了承ください。

右側の大きな円盤が重い金属板であるとします(また、イラストには描かれていないですが、軸が外部に支えられているものとします)。そして、ハンドルを回すことでこの金属板が回るようになっているとしましょう。この時、最初はとてもハンドルが重そうですね。でも力をかけ続ければいつかは金属板が回転し始めるでしょう。その後、一時的にハンドルにかける力を弱めたとしても、すでに回転の勢いが付いていますので、回転スピードがすぐに大幅な変化をみせることはありません。つまり、一旦動き始めさえすれば、回転する力がまるで蓄積されているようになり、力が多少途切れても回転が変化しにくくなります。このような働きをする回転体をフライウィールと呼びます。今回の例では厚い金属板がフライウィールにあたります。

物理の用語を使えば、慣性モーメント(「回転しにくさ・止めにくさ」、回転運動における「質量」にあたるもの)が大きい物体を回転させることで、大きな角運動量や運動エネルギーを蓄えることができるもの、となります。

ここで一つ注意点として、回転する物体に関する現象、ということで「ジャイロ効果」と混同しがちということが挙げられます。「ジャイロ効果」は端的にいうと「回転運動をしている物体において、回転軸が乱されにくくなる現象」ですので、内容としては異なります。

 

現実世界の FLYWHEEL たち

さて、フライウィールは現実世界の様々なところに存在します。

代表的なところでは、自動車でしょう。マニュアル車の中にそのものズバリ「フライウィール」と呼ばれる部品が存在します。マニュアル車の免許を取得した方ならば、「クラッチがくっついたり離れたりするところ」といえば分かりやすいのではないでしょうか。下の簡略化した模式図では、中央にある円盤がフライウィールです。

Fig 2.マニュアル車内部のごく簡単な模式図。クランクシャフト(左)によりピストン運動が回転運動になる。回転するフライウィール(中央)にクラッチ(右)がくっつくことで回転が伝わっていく。

 

エンジンから発生した回転力は常に一定とはなりませんが、フライウィールを用いることでそのブレがスムーズになっています。

さらに身近なところでいえば、おもちゃの世界にもたくさんフライウィールがあります。古くはコマやヨーヨー、さらには近年大流行を見せたハンドスピナーも、フライウィールの一種です。

Fig 3. 左からコマ、ヨーヨー、ハンドスピナー。なぜハンドスピナーはあそこまで流行したのでしょうか。

また、エネルギーを一時的に回転運動の物理的エネルギーに変換して貯蓄する「フライウィール・バッテリー」という機構も存在するようです(Flywheel energy storage – Wikipedia)。残念ながら弊社への導入の予定はありませんが。

他の意味での使われ方

フライウィールという言葉は、別の文脈でも応用されて使われていることが多々あります。

例えば、米国電気通信標準化連合(ATIS)の用語集に “Flywheel effect” という言葉が掲載されています(flywheel effect – ATIS Telecom Glossary) 。これは、発振回路(オシレーター。交流を発生させる電気回路)において、一度発振が始まればコンデンサやコイルの働きにより継続してそれが続いていくことを指しています。一度回転運動しはじめると回転を続けるフライウィールにある種似ていると言うわけです。

また、ビジネスの世界では、「ビジネスを継続し、成長させ続ける一定のサイクル」を指してフライウィールと呼ぶことがあります。特に、 ”Amazon flywheel” がよく知られているようです。

 

フライウィール vs  フライホイール

ところで、弊社は「フライウィール」が正式な表記です。「フライホイール」ではありません。ウェブ検索をしてみると、「フライホイール」という表記の方がよりポピュラーに見えます。ではなぜ我々は「フライホイール」 ではなく「フライウィール」なのでしょうか。この疑問を弊社社長に直接ぶつけてみました。以下そのダイジェストです。

私「 なんで『フライホイール』じゃなくて『フライウィール』なんですかね?」

社長「『フライウィール』の方が発音しやすいでしょ?」

私「 わかる」

 

おわりに

ここまで フライウィールについて様々な面から見ていきました。が、たった今、もう一つ大変なことに気づいてしまいました。テクノロジーカンパニーの Advent Calendar 用の記事にも関わらず、全く技術的な内容がないということに!

しかしながら、「こんな内容でも大丈夫だよ」と他の執筆者の後押しをし、まだまだ続く Advent Calendar の流れを止めない役には立つはずです。ということで、この記事はこの Advent Calendar のフライウィールにはなっているんじゃないでしょうか、ということで。

 

著者

ハヤサカ トモユキ

ソフトウェアエンジニア。以前は Google Japan にてGoogle PlayのカスタマーサポートシステムやGoogle Mapsのクライアントアプリの開発に従事。2018年よりFLYWHEELに参加。上手いことを言おうとして10割失敗するタイプ。