はじめに
はじめまして。ソフトウェアエンジニアの藤木です。
先日、フライウィールでは昨年に続いて 3 回目となる社内ハッカソンを開催しました。今回のブログでは、ハッカソンの流れや当日参加したエンジニアの感想をご紹介します。
ハッカソンのプロセス:フリーテーマと多様な参加者
3 年目の今回は、テーマを LLM に設定した昨年とは異なり、フリーテーマで参加者がアイデアを持ち寄る形式で開催されました(前回の開催報告ブログはこちら)。
ハッカソンは開催の 2 週間前から説明や Jira 上でのアイデア募集からスタートしました。集まったアイデアへの参加は挙手制で、開催当日に参加を表明したメンバーたちでチームを組み、プロトタイピングや発表資料の作成を行いました。

開発風景。短時間でプロトタイプを形に。
今回のハッカソンでは、エンジニアに加えビジネス領域のメンバーにも参加していただきました。エンジニア発案の新しいテックスタックや研究手法を利用したプロトタイピングのみならず、ビジネスメンバー発案の、実際の顧客接点や業務フローを改善するための具体的な新機能開発など、フライウィールの成長をより加速させる幅広いアイデアを集めることができました。
当日は 10 時から実装を開始し、約 6 時間かけてプロトタイプや資料を作成し、最後に全員集まって成果物のプレゼンテーションを行いました。

6 時間の成果を発表。真剣に耳を傾ける参加者たち。
プレゼンテーション後も熱気は冷めやらず、そのままオフィス内で懇親会を行いました。アイデアの感想戦や今後実際にプロダクトやツール化するときにもっと考慮すべきことは何かなどの議論が継続して行われ、最後の最後まで熱を帯びた夜となりました。

懇親会の様子。軽食を囲みながら続く熱い議論。
6 時間で実現!注目のアイデア事例
今回実装されたアイデアは、LLM を最大限活用したものが多く見られました。アイデアの実装自体に LLM を利用することはもちろん、資料の要約やデータ検索、ビジネス文章校正など LLM の活用が社内に深く浸透していることが見て取れます。LLM 登場前では、数時間という短時間では実現が難しかった、質・量ともに大きな規模の実装が多く見られました。
特に個人的に印象深かったのは、データパイプラインの実行ログを自然言語で調査するアイデアです。
社内のリポジトリや大規模データパイプラインの実行モジュールへ横断的にアクセスする MCP (Model Context Protocol) サーバを開発し、パイプラインに組み込まれている data build tool (dbt) で定義されたデータの依存関係や Dagster 実行時のログに MCP でアクセスすることで、知りたいログの特定とその要約を自然言語でできるようになっていました。具体的な業務改善に直結するアイデアでニーズに納得感があり、複数のシステム間の連携があるにもかかわらず、6 時間で実現できるスピード感がとても印象に残っています。
他にも、現在フライウィールで開発している LLM を活用した Conata Data Agent の性能改善に関連するアイデアも非常に多かったです。ドキュメントの検索精度の改善として、RAG (Retrieval-Augmented Generation) のチャンキング戦略の改善や、マルチモーダルなデータを AI が扱いやすい形式 (AI-Ready) にするための新たな手法の検証、検索クエリの生成方法改善など、先進的なテーマへの挑戦が多く見られました。
エンジニアとして参加した感想:ハッカソンで得られた真価
私は、ハッカソンというと「技術的なチャレンジ」という側面に注目しがちでした。しかし、それはあくまでハッカソンのわずかな一面にすぎませんでした。実際に参加してみると、「普段考えていたがなかなか挑戦できなかったことに挑戦するという時間」として、各自がアイデアを挙げ、そのアイデアがなぜ必要なのかをチームで再考しながら、瞬間的に実践につなげることができる素晴らしいイベントだったと感じています。
また、次々と集まってくるアイデアとその発案者の多様性から、プロダクトをよりよくしていきたいと常にアイデアを考えている人が、エンジニア・ビジネス両方に多くいるという人間的な面も印象に残りました。各自のアイデアが職種の壁を超えて提案され、インパクトがあると感じられたものから挙手制で取り組まれるハッカソンという仕組みに、組織としてのアジリティを感じることもできました。

バリュー実践の場:職種を超えて発揮された6つの行動指針
フライウィールでは、6 つのバリューとして、社員が大切にする行動指針を定義しています。ハッカソンの中で、これらが社員の中に根付いていると改めて感じました。
ハッカソンでは、普段とはチームやプロジェクトが異なるメンバーが即席チームを結成し、アイデアの具体化、使用データの決定、そして迅速な実装に取り組みます。各メンバーの強みや経験を活かし、短時間で価値あるものを形にする議論が徹底的に行われており、この過程でフライウィールのバリューである「Grow as One」「Engage with Respect」「Move Fast」「Focus on Impact」「Disagree and Commit」「Believe in Data」のすべてが随所で発揮されていると体感できました。

最後に
ハッカソンで実装されたアイデアは、すでに業務での取り込みが検討されているものもあります。このスピード感と技術的裁量こそが、フライウィールの特徴です。
フライウィールでは、共にこのような挑戦をし、成長を加速させるエンジニアを積極採用中です。少しでも弊社にご興味お持ちいただけましたらお気軽にお問い合わせください。
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